こんにちは。中瀬一菜です。
うつ病患者であるわたしの婚活についてお話します。
*様々な意見があるかとは思いますが、議論をしたくて書いているわけではありません。
こういう考えの女ですと、小心者が独り言を呟いているだけです。
人生終わったけど、終わってたまるか(自棄)
うつ病と診断された当初、彼氏はいませんでした。
もう最悪です。
そろそろ結婚とか自分の人生を真剣に考えないとなぁと思い始めた矢先ですから…予定も何も全部ぶっ飛んで、さてどこから考え直したものやら状態です。
いや、男性側からすれば、そんな女の彼女じゃなくてマジ良かったわ~でしょうけど…
こんな状態で何を言ってるんだ、先に病気治しなさいよ!とのご指摘は当然ですが、わたしにはもう時間がないんです!!!
婚活市場で、20代と30代ではそもそもの出会いの数が雲泥の差らしいですし、腐女子という理解されにくい趣味まで持ってしまっている…というか、人付き合いは上手じゃないし…きっちり治って、復職して、さあ婚活始めましょうって、そのころ私は一体何歳…?
いや、「結婚しない人生」も大いにアリでしょう。
でも、わたしは結婚して、自分の家庭を築いて、子供を育てて、自分以外の誰かを幸せにする人生を送りたい。
この希望というか、ほぼ敗れてしまった夢は、捨てきれません。
よく考えてみれば、なんで病気になったくらいで諦めないかんねん!です。
誠実に仕事して、いろんな原因あるけど、私だけが悪いわけじゃなかったのに、なんでわたしが幸せ諦めないかんの? 諦める必要はないでしょ?
というものの、こんな状態で婚活ってどんだけ不謹慎なんだよとも思います。そりゃ不誠実この上ないですよ、当然分かってます。正当な理由でお休みしてますが、お休みの使い方に難アリです。
「婚活 うつ」で検索すると、わたしみたいな女への批判はわんさかあります。だいたいはこんな感じ。
- お休みしている人の代わりに仕事している人の身にもなれ
- 病気直すために休むはずなのに、その間に婚活するなんておかしい
- ちゃんと病気直してから婚活しろ
…正論、ありがとうございますって感じですね。
中には肯定的な意見もありましたが、ほぼほぼ否定的でした。それくらいうつ病患者の婚活はよく思われてはいないようです。
というか、うつ病自体に対するあんまり良くない印象があるような…普段通院しているだけだと、こういう社会の一般論的なご意見とは遭遇しないので、とても驚きでした。
でもまぁ、そりゃそうでしょうよ。健康な皆様は仕事しながら踏ん張って婚活してますし、わたしのような病人の事なんて想像にも及ばないでしょうし。そりゃ好きに言えるってもんでしょう。そういう元気な貴方様だってうつ病になる可能性があるのにねッ!
ほんとうにすごい言葉のオンパレードでした…ただ単にうつ病患者の婚活への批判というか、ご自身の抱える不満や疲労で八つ当たりでもしてるんです???と思ってしまうくらいのすっごい攻撃でした…
ご批判があることも含めて色々考えてみて、結局はわたしはみんな事情があって、みんな正しいよなと思い始めました。
わたしの人生に責任を終えるのは私だけ。「他人さんに何を言われようとも、わたしはわたしだ」と吹っ切れたわけです。文句があるならわたしの前まで来て目の前で言ってみろ、です。
というか、みんなテンプレートみたいに優等生な人生を歩むわけではないでしょう?
正しくないと分かっていながらその方向へ進まざるを得ない時もあるし、10人いれば10人の人生が・100人いれば100人の人生があるわけで、みんなだいたい思い描く正しさとか幸せは似たり寄ったりでも、歩む人生もまた似たり寄ったりではないでしょう?
その人生が間違ってるだなんて、他人さんが指摘できるわけないでしょう?だって、異なる人生を歩んだ人間なんだから。
うつ病患者だって、叶えたい夢くらい持ってたっていいじゃない。努力してもいいじゃない。「うつ病患者というグループの人間」ではなくて、「ひとりの人間」として、努力してもいいじゃない。
いろんなご意見はあるでしょうが、わたしは自分の気持ちに正直になって、婚活を始めることにしました。
つまり、始めようと思える程度に、気力は回復していたんですね。
ハウツー引きこもり婚活
とはいうものの、自分から婚活やるぞオー!!!パーティー行くぞオー!!!で始めたわけではなりません。
確かに焦ってはいましたが、わたしの友人(彼女らは健康体です)が、そろそろ婚活でもするか~と話していて、わたしも当然のように彼女たちの話の輪に入れてくれたことがきっかけでした。
彼女たちに病気の詳しいところは話していませんでしたが、わたしの仕事や過去の話から、なんとなく察しはついていたはずです。
でも、わたしにまずは病気を治して~とか、幾つになっても良い人はいるよ~とか、そういう気休めは一切言いませんでした。付き合い方も同様です。
そこで、わたしはうつ病だけど、そもそも自分っていう存在は変わってないぞと、病気であやふやになっていた自分の形を、友人と会うことで客観的に見直すことができました。わたしという人間は病気になろうと変わらないんだなぁと。というわけで上記のような意見に至りましたとさ。
閑話休題。
わたしが始めた婚活は、婚活アプリを使用したものでした。大袈裟な婚活!ではなくて、マッチングするだけのヤツです。
判断力が落ちているうえに、そもそも男性への免疫が無いため、友人との相互チェック体制をお願いしました。
気になるまたはアプローチがあった男性を、友人たちと一緒に問題はないか確認しあうものです。わたしも友人たちから依頼があれば、チェックします。
一緒に同じアプリを使用している利点だと思います。さらに幸運だったのは、アプリを使用したことがある友人がいたこと。恵まれた環境で、わたしは引きこもって婚活を開始しました。
この形での婚活は、あまり肩ひじ張らないでできるのでいいですね。アプリ内では、婚活している人もいれば、恋人募集の人もいれば、お友達募集の人もいて、結構様々です。
それに、アプリを介して自分でコツコツと婚活をするので、婚活の進め方について自分にコントロール権があるのが良いですね。ちょっと疲れたなと思えばお休みできますし。
ちなみに、婚活では自分の詳細なプロフィールを記載するのですが、病気のことは書いていません。
…本当にずるいなぁ、と思います。もはや詐欺と言われても強く否定できない…
素直に書いて婚活できるわけないでしょ!というわたしと、うつ病だからって全員メンヘラじゃないんだぞ!わたしはマトモだ!というわたしが、せめぎ合った結果、こうなりました。
この人だと思える男性に会えたら、包み隠さずお話ししたいと思っていますけどね。
うつ病の女が結婚出産…それってどうよ…(半泣き)
インターネットには、うつ病の妊婦が出産した子供が同じ病気を患う可能性が~とか、様々な情報が溢れかえっています。
不安にはなりますが、正直眉唾物だなと思っていました。婚活を始めてしばらくして、通院した際に思い切って医者に聞いてみました。
医者によると、確かにうつ病の妊婦が出産した子供が、そうでない子供と比べて、うつ病を発症しやすいのは本当のことだそうです。
ですが、医者はさらにつづけて、
医者「正直なところ、いろいろ言われてますけど、分かりませんよ」
中瀬「はぁ…(オメェ医者じゃねーのかよ…)」
医者「中瀬さん、数学得意ですか?」
中瀬「ムリです」キッパリ
医者は紙に数直線を書きました。
医者「自然数はいくつありますか?」
中瀬「た、たくさん…」
医者「そうですね。じゃあ、整数は?」
中瀬「たくさん…」
医者「その通りです。今現在うつ病について分かっていることは自然数で表せますが、それ以外のまだ分かっていないことは、もっと沢山あります。整数のように」
中瀬「なるほど…!」
要するに、今わかっていることは確かにあるけど、それ以上に分かっていないことがたくさんあって、良くも悪くもいろんな可能性がある。
ということらしいです。
ですが、医者は、当然のように私が結婚して子供を産んで…と話をつづけました。
誰にも言えずに、なんとなく疑問に思っていたことを、さらりと肯定されたのです。
なぜだか分かりませんが、泣けてきました。
自分の中で考えて、婚活をはじめたけど、まだ治っていないけど、長い目で見て、わたしは結婚もできるし、子供も生めるんだとお墨付きをもらて、とても嬉しかったです。
ゆっくりマイペースに、でも確実に
最後に、わたしの婚活の状況を。
登録すると、あっという間に数人とマッチングしました。
けど、現時点で彼氏はできていません。なかなか現実は厳しいみたいです。
やはり、開き直ったとはいえ、ちょっと心苦しいのもあり、知らない男性とメッセージをやりとりするのにちょっと疲れたものあり、今は婚活を控えめにしています。
ネット婚活はマイペースに進められるのが良いですね。
何が疲れるって、腐女子がパンピのふりするのが疲れるんですよね…
でも、連絡を取り合っている方はいらっしゃいます。
まだそこまで親密ではないので、病気の話はしていません。折を見て、当然に、すべて包み隠さずまるっとお話するつもりです。
心苦しいけど…不誠実な女だけど…
いろいろ開き直ったりしたけど、結局そこまで図太くないし、婚活すればするで、また別の苦しさがありました。
でも、いつかは、夢を叶えたいな。もちろん、きちんと病気も治して。
2018.1.21 追記
病気であること、休職していることを、お話することができました。
ブロックしていいよと言ったのですが、彼はあっけらかんとしていて、「嫌いになると思いました?」と言ってくる始末…
※おのろけのように聞こえますが、友人を茶化すようなニュアンスでした。
この病気をどう捉えているのかは分かりませんが、今でも連絡を取り合っています。
部屋に引きこもってじっとしていることが多い中、彼とのつながりが唯一の外界との接点になっているような気がします。
今では、婚活うんぬん置いといて、それに連絡取り合うだけの関係なので、新しい形の友人ができたと思っています。
わたしと同じ立場の方。
人生終わってないです。分かってくれる人は、実際にいました。周りの人から何を言われても、自分の選択を疑わないでください。
…それにしても、自分の人生を、地に足をつけて、しっかりと歩いていきたいものですなぁ。
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書いた人 中瀬一菜(なかせ・ひいな)
うつ病が原因で退職した元公務員。未婚・アラサー・障害者。
うつ病があっても自立した生活を送るために日々奮闘中。
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